ＰＣＭＡＸアプリ
岡山にはカキオコと言うB級グルメがある。B級と言うには贅沢なくらい牡蠣を使ったお好み焼きだ。
そんな名物がある地元から上京して東京暮らしを始めてそろそろ10年。地元には特に思い入れはないが、時々、無性にカキオコが食べたくなることはある。郷愁とはまたちょっと違う部類だと思っていて、単にあの料理が僕の舌に合っていると言うことだろう。そこで、東京でもカキオコを出す店を発掘して度々一人で通っていた。ただ、味は堪能していたのだが、一人で外食と言うのも寂しいものだな、と独り身の虚しさも感じていた。
さて、岡山県人会とでも称せばいいのかそんなLINEグループがあり僕も参加している。前述の通りに故郷に郷愁はないのだが、仕事先で知り合った同郷の人間に誘われてLINEアプリを使うようになった。最初の頃は楽しく会話していたのだが、やがてそのグループが不倫グループになっていったのである。
A子さんもまたその一人だった。長距離恋愛の末、一昨年に岡山から上京して嫁入りしたそうだ。だが、彼女は岡山出身にもかかわらずカキオコを知らなかった。「えー食べてみたいー」とLINEアプリを通じて誘われて、東京でカキオコを食べさせる店を見つけて二人で出かけたのがきっかけだ。そして、流れの赴くままに、A子さんの生牡蠣もたっぷり味合わせてもらった。
それ以降、何人かの女性とワンナイトラブを経験した。いずれもカキオコからの流れである。カキオコ→オフパコと言う流れが見事に出来上がり、挙句の末にカキオコがセックスの隠語のようになってしまっている。「カキオコ食べに行こ！」と言うLINEのお誘いは裏返せば「今日はセックスOKよ！」という意味になっていたのだ。
たっぷりの牡蠣で精力も高まっているのだろうか？などと思いつつ、僕は人妻を抱いている。世間で言えば不倫である。故郷に郷愁はないと言いつつも、こうして同郷の女性をカキオコとともに満喫しているのだから、僕にもきっと東京に染まりきらない岡山県人の血が流れているのだろう。
もっとも、さすがに食べ過ぎて、LINEにもカキオコにも飽きてきたんだけどね・・・
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